日本漢方交流会ニュース 金匱 bQ0 福山大会盛大に無事終了! 第34回全国学術総会福山大会は晴天に恵まれ、11月 17日〜18日に渉り、福山市西北の丘陵地にあり、自然に 恵まれた福山大学薬学部とJR福山駅前の文京地区 にある広島県立歴史博物館において開かれた。 ●第l日目は大学総長,薬学部長,生薬関係教授の 多大なるご好意とご協力により,第2日目は歴史博 物館の平成13年度企画展「江戸時代芸備の科学と 自然」に係る事業の共催として,最終日の市民公開 講座を受持ち,また,大ホール使用のご好意を受け, 広島漢方研究会はじめ各漢方研究会各企業のご支援 により,併せて広島県薬剤師会,福山市薬剤師会の 後援を受けて,低迷の績く漢方業界ではありながら も華事に終了することができた。 ●第一日目は4名の会員発表に続き,シンポジウム 「薬局漢方の将来への展望」があり,業界側として は「需給に大きな変化がなければ,現在の安定供給 は統くだろう」とのことであり,薬局側としては 「薬局漢方の発展は日本漢方交流会の発展に結ぴつ く」また「命がけで漢方相談を行い,お互いの“い のち”と“いのち”が合った時に素晴らしい治癒が 起こる。この姿勢さえ崩さなければ,薬局漢方の将 来は明るい」と結ばれた。(参加者約150名) ●懇親会では福山大学学生の「三蔵太鼓」(約15分) が打ち鳴らされ,洋一杯になっての熱演一糸乱れぬ リズムに参加者一同感激し,若い人のエネルギーを 吸収した。 ●第二日目は3名の会員発表があり,昨日と同様に 活発な質疑応答があった。特別講演は2題共に生薬 の本質に関することであり,御影先生は調剤時には 生薬の薬能を考えて便用する必要のあることを強調 された。岡村先生は,煎剤に於ける成分含量の変動, 再煎の意味,後煎についての科学的な裏付けを述べ られ煎剤に馴れている我々に対し,非常に役立つこ とを指摘されました。布民公開講座は参加市民が非 常に喜ばれ,閉会後も私達に色々と喜ぴの言葉を述 べる市民が多かった二 (会員参加者約100名市民参加者約120名) ●企業展示は会場が二カ所に別れたことによる不便 さもあったが,不景気の中で,8社のご協力を受け た。尚,会場では「屠蘇散」の製造実演が行われ, 薬研による作業で,芳香が会場内を漂い,足を止め る人が多かった。 ●昨年の徳島大会に比べ参加者数は徴増ではあった が,大学側,博物館側共に好意的に接して下さり楽 しい雰囲気の下で参加者それぞれに「福山に行って 良かった」と喜ばれ,何らかのおみやげを持ち帰ら れたものと思う。 日本漠方交流会ニュース「金口」通巻20号(2) 01年12月発行 ●総会では13年度事業報告,14年度事業方針,予算案が可決されました。 その他,今年度の称号認定者(更新13名,昇級3名,新規1名,合計17名) への証書の授与,及び中間法人への申請。新年度の新理事。 小川会長の辞任により,小川先生を名誉会長への推薦も承認された。 ・13年9月末現在の会員数(正会員293名準会員419名)は712名 ・新理事は下記のとおり 石原タツ(東京漢方教育研究センター) 太田順康(岐享漢方研究会) 香川彰宏(個人会員) 金子傑(日中医葉研究会関西支部) 苅谷賢治(東海漢方協議会) 須藤朝代(日中医薬研究会関西支部) 津田照雄(日中医葉研究会関東支部) 鉄村豪(広島漢方研究会) 寺島衛(東海漢方協議会) 中井康雄(かんぼう会) 中川智代(東京漢方教育研究センター) 仁池米敏(九州漢方研究会) 西脇平士(近畿絨灸漢方研究会) 演田民子(熊本漢方研究会) 正木清彦(日中医薬研究会関東支部) 真鍋立夫(個人会員) 宮川香行(京都漢方研究会) 宮崎綾子(九川漢方研究会) 吉本悟(広島漢方研究会) ≪アイウエオ順合計19名≫ ●次年度第35回日本漢方交流会学術麓会東京大会は 日時:平成14年ll月23日(土)24日(日) 場所:共立薬科大学(東京) 大会スローガン:テラピーからメディスンヘ(漢方病理の確立) 大会テーマ:発展する漢方 世話担当研究会:東京漢方教育研究センター ●各漢方研究会代表者(交流)懇談会は、大会第1日目の開会前(約1時間)に開かれ、 各代表者より各研究会の現状報告と交流会に対する活発な意見交流があった。 どの研究会にも共通していることは会員の減少であった。 ●学術誌「玉函」第19号発刊 頒布価¥2、500−(送料含) 内容は特集「私の漢方に対する情熱(13名)」特別寄稿「HbAlcと羅漢果」 テーマは肝臓病,これに関する論説(10題),処方(5題),症例(10題)など で多士済々の顔ぶれ。一読の価値 あり。〔290頁〕 ●福山大会講演要旨集(130頁)残部少々あり頒布価¥2,000一(送料含) ●新役員選出について 次回の理事会(平成14年l月14日)及ぴ決算総会(平成14年2月11日)まで に新理事の中より選出することになった。        慶事 鉄村豪先生(81歳) 勲五等双光旭日章に叙勲される 日本漢方交流会副会長,広島漢方研究会副会長,元広島県薬剤師会副会長などと して薬業界に於いて50年余に渉り,業界の発展に尽くされた業績とご熱意が認めら れたことは,私達日本漢方交流会としても嬉しいことです。会員一同拍手をもって お慶び申し上げます。 “鉄材豪先生おめでとうございます!” 日本漢方交流会若手育成研修会に参加して 会員 島田美津子 平成13年5月20日、母校の京都薬科大学で日本漢 方交流会の第3回若手育成研修会がありました。 午後1時〜5時の予定で講師は香川彰宏先生,仁池 米敏先生、寺鳥衛先生。講義では、漢方開局マニュア ルと漢方専門薬局の開局経験談を聞かせて頂いて、実 習では桂枝茯苓丸、紫雲膏、小柴胡湯、屠蘇散をそれ ぞれ作ってみるというものでした。 私は病院の薬局に勤めていますが、仕事で扱うもの は顆粒製剤ばかりなので、この研修会の実習で、実際 の生薬に触れてみたいと思って参加してみました。 「若手育成・・・・」という中に、私も入れて頭い ていいのかしら、と思いつつ教室に入ると、私より年 輩の方も沢山おられたのでほっとしました。参加者は 20−30人くらいで、実験室にはいると懐かしさが込 み上げてきました。実習ノートを手に先生を囲むのは 何十(?)年ぶりでしょう。 実習では初めてのことばかりでした。桂皮の皮むき もしてみましたが、葉用にされる部分は、ほんの少し しかないのには驚きました。ベトナム産で内側に甘味 のあるものが良いと教えていただきました。製丸器に かける前の桂枝荻苓丸を少しつまんで食べてみたので すが、甘く、香ばしくて美味しいと感じました。材料 生薬の吟味から製品になるまで、何と多くの時間と手 間かかかっているのでしょう。 学生の時から、一度は紫雲膏を自分で作ってみたい と恩いつつ、機会がなかったのですが、やっと今回紫 日本漢方交流会ニュース「金匱」通巻20号(4) 2001年12月発行 雲膏を作るところを見せていただきました。頭の中で 考えているだけでは気が付かない、いろいろな発見が ありました。きれいな赤紫色に仕上がった紫雲膏は、 軟育壺に人れて持ち帰り、大切に便わさせていただい ています。 また屠蘇散を作る時には数人が交替で、薬研を便わ せていただきました。テレビの時代劇で使われている のを見て知っているつもりになっていましたが、あん なに力が必要で、使い方にもコツがあるのだというこ とを、あらためて知ることができました。 自分で漢方薬を作ることができるのが嬉しくて、講 師の先生方の熱心なご指導に夢中になっているうち に、あっという問に4時間が過ぎてしまいました。ま た講姜においても責重な体験を聞かせていただいた り、漢方に対する先生方の真撃な態度が伝わってきて、 参加させていただいて本当に良かったと思いました。 吉来から「人々の病を治したい、治してあげたいと いう祈りが、手問暇をかけることを通して、薬に癒し のパワーを吹き込んできたのかも知れないl等と思い を巡らせつつ母校の校舎を後にしたのでした。 訂 正 ○福山大会講演要旨葉の日本漢方交流会加盟研究会事務局・ 覧(134員)の2研究会の住所等に問運いがありましたこ とをお詫びし,以下のように訂正して下さいますようお知らせを中し上げます。 (訂正部分) ・東京漢方教育研究センター 〒289・0313 千葉県香取郡小見川町小見川290 ≪三宅回生堂薬局≫三宅仁一 TEL047&822031FAX0478・82−2031 (訂正後) ・東京漢方教育研究センター 〒15年0α∞1 東京都世田谷区池尻2・31・20清水ピル ≪正見堂薬局≫中川智代 TEL03−3412ー1556 FAXO3−34127499 (訂正部分) ・日中医薬研究会関西支部 〒57‘年0011 大阪府大東市以北条1−1・13 ≪開明堂漢方薬局≫深水明子 TEL072078−6377 FAX072786377 (訂正後) ・日中医薬研究会関西支部 〒501−5121 岐阜県郡上郡白鳥町木町954−3 ≪高田屋伊東薬局≫伊束紗登子 TEL05758−2・2019 FAX0575830023