日本漢方交流会ニュース

金  匱   a@22

編集  日本漢方交流会広報委員会・2002年8月

日本漢方交流会事務局 香川県仲多度郡琴平町225 電話0877-58-8581  fax0877-58-8583

理事長辞任のご挨拶

中井康雄

 今年も盛夏を迎えましたが、皆様方にはお忙しくお過ごしのことと思います。
さて、挨拶がおそくなりましたが、私は昨年末にて理事長を辞任させていただき、今年より新進気鋭の真鍋先生が新理事長として、会の運営全般について色々と努力して下さっております。
私は地震後、二度目の理事長としては平成12年5月より13年12月末迄の一年半ほどの間でした。
その間、会員減少傾向のある中で全国学術総会の徳島大会、福山大会を何とか成功させ無事に終了する事が出来ました。これひとえに会員の皆様と地元の徳島和漢薬研究会、日中医薬研究会の西谷正先生、広島漢方研究会のご協力のお陰と厚くお礼申し上げます。
ITの時代に入りました今、全ての事務の効率化が不可欠となり、交流会におきましても若手幹部の皆様に活動していただき、活性化をはかる時期に入りました。
また、私自身古希を迎え心身ともに老いを感じはじめましたので、この際理事長を交代していただきました。
今後は真鍋新理事長の元で一致団結して中間法人の実現と薬局漢方の発展のために頑張っていただきたく思います。
尚、長い間事務所を提供してくださった広島の前田泰則先生、細かな事にご配慮をいただき事務運営に協力して下さった広島の河本理恵子先生。会計でありながらも総務の仕事に協力していただいた香川の香川先生には遅ればせながら厚くお礼申し上げます。              以上


新理事長としての挨拶

真鍋立夫

 日本漢方交流会は、新しく『有限中間法人日本漢方交流会』を設立して、時代の背景を見ながら、従来とは違った展開で積極的に薬剤師等の職能開発向上と啓発をすすめ、従来の学術研修を主体とした事業のみではなく、より公益的事業を行なってゆこうということになりました。 そのような重大な転機に及ばずながら香川県の田舎者である「真鍋」が新しく理事長を拝任させて頂きました。
 この漢方交流会の過渡期において、その橋渡しという重大な任務を果たすことを期待されて就任させて頂きましたが、時代の背景はまさに明治維新を超える変革の時です。
医療関係、薬業関係においても例外では無く、新しい薬剤師のポリシーと、基本的な人間の生き方、同時に健康に対するイデオロギーも大いに変革してきています。
 薬剤師であっても何であっても、従来のような型にはまった固定的な権利責任意識に留まること無く、もっと自由に自己を啓発して互いに競争しながら、自分達の旧態然とした社会的、職業的固定観念の枠を超えて、より個人の人間としての存在価値を高めようとするニューウエーブの嵐の最中にいます。
 具体的には、薬剤師としては「本当の薬物のプロとしての責任と義務を果たす」そのために医療の現場では、薬物療法における薬物の用い方に対する薬剤師としての責任においての厳しいチェック、患者さんに対しては、正しい薬の服用の指導と生活改善、医療的養生法の指導、一般衛生においては環境汚染とか国民の健康を害する化学物質や生活環境のチェックなどいくらでもあります。
 話は変わりますが、薬剤師が何故この時期に漢方医学を学ぶ必要があるのだろうか?それによって何を得ることが出来るのだろうか?・・・・私はあえて漢方療法は現代医療の谷間にあるさまざまな難病を治すことができる素晴らしい伝統医学なんだ・・・など、とは言わないでおきたいと思います。 漢方医学を学んだからと言って「漢方薬を使って様々な難病を治す」ことなんて、やらなくても良いと思っています。煎じ薬でなくちゃ・・イカンとか、玄米菜食の正食でなくちゃ・・イカン、とかは言わない方が宜しいかと思います。基本的にはどのように生きるかは『個人の自由です・・・』赤信号皆で渡れば恐く無い・・・というのが、一番イケナイと思います。たった一人になっても、自分の信念で・自分の価値観で・自分で判断して行動すること、正々堂々と生きるということが大切です。 他の人のことには干渉しない・・・しかし、非道なこと不正なことはゆるさない精神が必要です。これには大変な勇気がいることが多いものです。またドンキホーテになることをも楽しむ心のゆとりが必要です。家族や妻や夫は『自ら身体を動かして・・・互いに守り守られていかなければなりません』決して一方的に誰かが犠牲になってはいけないし、犠牲にさせてしまうような思いやりのない、自己中心的な生き方では最後には自分が孤独になってしまうのではないかと思います。現代人にはこの勇気を出して『他人のことを思い遣り、他人を自分の事と同じように理解しようとする精神が足りないように思います』
 漢方医学を学ぶと、自然と共存するということ、人間生物という謙虚な気持ち、人を赦し、また赦されていることに対する認識と感謝の精神を理解することが出来るのではないか?と思っています。
 漢方専門薬局は人口10万人に一軒しか経営が成り立たないと言われています。これが本当かどうかは別として、日本漢方交流会では各県に一つ漢方研究会を作って、これらを漢方交流会の傘下団体として組み入れて、組織を拡充して行こうと言う考えもあります。例えば香川県では人口100万人くらいですから、全県下に約10軒の漢方薬局しか成り立たないと言うことになります。そうすると香川県の漢方研究会ではいくら頑張って勉強してもせいぜい10人しか漢方を生業としてはやっていけないということになります。 だのに何故何十人も集めて漢方の講習会をやったりするんでしょうか? また講師を引き受ける人は「永年漢方をバカと言われながらやってきた苦労の人」です。そうやって苦労して手にした漢方のノウハウを安々と他人に教えてやるんですか? どうも・・・この発想はおかしいですね。
 私達が『日本漢方交流会』でやろうとしていることは何なんだろうか?これまで、漢方『東洋医学』を学んだおかげで、気づかせて頂いた、漢方的なものの考え方『漢方哲学』・・・・それによって得られた、人間としての、また薬剤師としてのさまざまな責任を果たして行きたい。それは個人の力では無理だから、大勢の同志をつのって皆で協力してやって行こう・・・、そのような考えで交流会に参加しているのではないのでしょうか。あるいは、これから薬剤師としてまた人間として将来を切り開いてゆかねばならない時に、先輩達のやろうとしている何かに期待を持って、その指導に従いあるいは啓発されようとして入会、参画してくるのではないのでしょうか?
 現実は、漢方処方の運用のノウハウを教えてもらおう・・と思っていたり、何か得になる情報があるかも知れない?とか、何らかの具体的なメリットを求めて参加してくる方がほとんどであるのかも知れません。これから設立しようとする法人は、定款に謳ってあることに賛同して、それを共にやろうとして、具体的に会費を支払ってその事業に参画してくる・・・というのが、立て前ですが、実際はほとんどの人はそんなことは考えていなくて、『漢方交流会』という組織から何らかの利益を得ようとしているのであって、組織を通して自分のポリシーやアイデンティティを確立しよう等と考えている人はいないのです。
それでも、会の運営とポリシーがしっかりとしてさえいれば、縁あって参加してくれる会員を啓発して本来の人間としての、または薬剤師としての漢方を通しての役割と責任感に目覚めて頂けることも可能なのです。各地、各県に漢方研究会を作って大勢の後輩を育てようとするのも、実はこれがねらいなのですね。
 現在、鉄村会長は盛んに『日本の薬科大学に漢方講座を正式に置くように、文部省に働きかけなければならない』と言われています。すでに、医師の方ではこれが先行していますね。専門医制度さえありますね。だからといっては、何ですが、この鉄村先生の考えはもう少し遅いくらいの考えなのですが、本来の薬剤師の職能を向上開発してゆくために働かなくてはならない、公益団体である「日本薬剤師会」が、全くと言ってよいほど、この動きをしませんね。それどころか、薬剤師が漢方薬処方を合法的に運用できる、唯一のよりどころである、『薬局製剤』の制度さえ、危うくしようとする動きさえ見られますね。
もう、一刻も猶予がありませんよ、早く早く法人化して、本当に薬局製剤制度が大切であると思っている団体が、合法的に政府主務官庁に働きかけなければなりません。
 そのためには、薬科大学、国立の大学薬学部に漢方科を新設することなどは、沢山の綿密な実施計画、そのメリット、教科書はどうするか?講師、教育にたずさわる先生はどうするか?など具体的な計画を発案して主務官庁に働きかけ、一方で会員の団結と人的パワー、とコネクションで実際に実現可能な薬科大学に働きかけ、漢方科を新設させて実績を作ることも重要な仕事になります。現在進行中の『漢方交流会学術総会』を各地の、薬科大学等で実施していることは、そのための大きな布石なのです。
 漢方交流会のマンパワーを集積して、着実にこれらの目的に向かって行動を起こしましょう。しっかりとした計画が大切です。また会員の意欲ある事業に対する理解と参加が望まれます。今後とも全力を尽くしてやってゆきたいと思っていますので、皆様のご協力、ご叱声をお頼み申し上げて理事長新任の挨拶とさせて頂きます。

日本漢方交流会東京大会のお知らせ
会員各位

拝啓 皆様には、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
伝統ある日本漢方交流会全国学術総会が、本年度は、東京の共立薬科大学にていよいよ開催されます。現在、我が国は社会の混迷の影響を受け、薬業界も様々な変化と矛盾が生じています。例えば、一般には、漢方が期待され医学部では漢方の講座が新設される中、薬学部では生薬や漢方の講座がなくなりつつあります。また、他の国では、見られない我が国独自の制度であり、薬剤師としての職能を生かせる医薬品製造業としての薬局製剤を活用する人が少なくなり、今や衰退しつつあります。漢方を専門とする薬局にとっては、薬局製剤の制度なくして仕事の存続はありえません。
これら世間の需要と逆行するような流れが、なぜ薬業界ではおこるのでしょうか。私達薬剤師は真面目にコツコツ仕事はしてきましたが、もっと広い目で医療制度や教育に対して働きかけをしなかったからでしょうか。漢方の価値や漢方に携わる仕事がいかに社会貢献度が高いかを若い人達に教えてこなかったからでしょうか。
もし、本当に薬学部で生薬、漢方の講座がこのまま減っていき、薬局製剤もなくなってしまったら、諸先輩が努力して残してくれた漢方の遺産が水泡に帰してしまいます。社会的にも大きなマイナスとなります。これから漢方を志す次の世代のためにも、私たちは漢方のすばらしさを伝え、現状を変えていかなければなりません。
今回の大会は、このような危機感の中でお互いに研鑚し団結して、業界を少しでも変えられるような力になれたらと思っています。
会員の皆様、是非東京大会に参加してくださいますよう御案内申し上げます。

                  東京大会事務局     中川智代

総会・漢方講演と研究発表会へのお誘い

 伝統ある第35回日本漢方交流会全国学術総会の大役を引き受けることになり、本会創立以来会長としてご尽力頂いた小川新先生と、新会長鉄村豪先生はじめ、役員各位のご指導を得て、準備を重ねて来ております。
 今日国民は、食肉ラベルの差替え・無許可香料の混入など、色々な不祥事に取囲まれ、その不信は保健・医療・福祉への不安と、生活面にまで広がっています。特に、最近の科学研究で、従来の学説....例えば食と油の関係・心と体の関係・薬の効き方の評価など....が大きく変わり、情報化社会の中で国民にその事情が伝わっているにも拘らず、現実には旧態依然とした基準の医療が行われていることに、不満、時に怒りをすら抱いております。
研究成果の一部には伝統医学の正しさを証明する部分があり、人々は従来にも増して漢方に期待するのではありますが、我々漢方の側が、現代研究の水準に達しなければ、折角の信頼を更に大きく裏切ることになってしまいます。
わが日本漢方交流会は全国規模を持つ組織として、いち早く実情を知り、学習し、国民の要望に答えて行かなければなりません。
そこで今回の大会テーマを「漢方研究法の確立」とし、個別治療の段階から普遍性のある学問建設を目指す意味を込めて「セラピーからメディスンへ」の副題を添え、基調講演・特別講演もその線に沿った内容にいたしました。
会員および漢方に関心をお持ちの皆様、奮ってご参加下さい。東京・芝・共立薬科大学の会場でお会い致しましょう。

       第35回日本漢方交流会全国学術総会東京大会

会   頭  長沢 元夫

大会委員長  川瀬  清

実行委員長  朝長 孝子

第35回日本漢方交流会全国学術総会
東 京 大 会

大会スローガン   『発展する漢方』

大 会 テ ー マ   漢方研究法の確立
(セラピーからメディスンへ)

日  時  平成14年11月23日(土・祝)、24日 (日)

場  所  共立薬科大学 255、B55教室ほか
(東京都港区芝公園1-5-30)

主  催   日 本 漢 方 交 流 会
開  催  東京漢方教育研究センター
後  援  共立薬科大学生涯学習センター
東 京 生 薬 協 会

第35回日本漢方交流会全国学術総会東京大会プログラム

―11月23日(土・祝)―

12:00 〜 受 付 開 始

13:00 開 会 挨 拶

13:05〜14:00 実践的生薬講座

テーマ「五感で選ぶ優良生薬」

講師  前東京生薬協会理事・紀伊国屋漢薬局  茂木十郎先生

14:00〜15:00 特 別 講 演 (I)〔公開講座と共催〕

テーマ「健康食品の選び方」―広告と情報の問題点―

講師  おない内科クリニック副院長      小内 亨先生

15:15〜16:45 会 員 発 表 その@

16:50〜18:00 特 別 講 演 (II)

テーマ「漢方の新しい理解と展望」

―てんかん発生機構の研究から―

講師  愛英堂診療所長            菅谷英一先生

18:30〜21:00 懇 親 会 (芝パークホテル)

―11月24日(日)―

09:00〜10:30 基 調 講 演

テーマ「セラピーからメディスンへ」

―漢方と近代医学との関係―

講師  東京理科大学名誉教授         長沢元夫先生

10:30〜11:30 教 育 講 演

テーマ「薬局製剤をめぐって」

講師 日本薬剤師会、薬局製剤・漢方委員会委員 三上正利先生

11:30〜12:30 第35回日本漢方交流会 総会

13:30〜15:00 会 員 発 表 そのA

15:15〜16:15 特 別 講 演 (III)

テーマ「東南アジア伝統医薬について」

講師  ミヤンマー・ケシ代替薬用植物プロジェクト理事長

佐竹元吉先生

16:15 閉 会 挨 拶

第35回日本漢方交流会全国学術総会東京大会
        会員発表演題 
     

演題 所属 名前  ○印は発表者

@漢方と便秘 かんぽう会 ○村上清尚

A浮腫の随証治療 日中医薬研究会関東支部 河合斎 ○宮原規美雄 正木清彦 塩田祐里子 ?原絹子 杉本真理 山田美榮子 飯田武 松村夕起子 川畑耕平 福島敏子 山道美苗 河合展之 渡邊武

B紫河車 東京漢方教育研究センター ○山口由紀子 川村俊江

C薬局製剤 漢方処方の症例と運用 東海漢方協議会 ○寺島衛

D祖父と八味丸 九州漢方研究会 ○城田泰秀

E根茎を用いるショウガ科の薬物 その1<生姜・乾姜・高良姜> 東京漢方教育研究センター 白根加代子 ○江里口のぶえ 外山博視 橋本紀代子 黒子明美 川瀬清

F根茎を用いるショウガ科の薬物 その2<欝金・姜黄・莪朮> 東京漢方教育研究センター 大石暢子 ○鈴木千春 富松早苗 越智秀一 白根加代子 川瀬清

G今、なぜ鏡検か? 東京生薬協会 ○伊藤宏

H消風散の奇効例 近畿鍼灸漢方研究会 ○西脇平士

I「漢方薬局を開局する人のための研修会」のまとめ 日本漢方交流会若手育成委員会東京漢方教育研究センター 仁池米敏 寺島衛○尾形尚子 中川智代 長谷川理摩 阪本恵美子 原英子 本間理恵子 朝長孝子 白根加代子  石原タツ

J介護老人への漢方薬投与方法 広島漢方研究会 ○吉本悟

K動悸の治療における茯苓・白朮について 個人会員 ○広中隆志

L生活習慣病の病態生理と東洋医学的考察 日中医薬研究会関西支部 ○上田恒一 野町健 篠崎玲子 渡邊武

発表の順番は未定です。2002年8月

大会参加お申込み等

参加費 日本漢方交流会会員 10,000円
会員外 12,000円
懇親会費     10,000円
24日昼食代  1,000円

申込み 所定の申込み用紙に記入し、用紙記載の申込み先までFaxして下さい。
       お問い合わせは、ハガキまたはFaxで大会事務局までお願い致します。

大会事務局 〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-31-20-4F
    正見堂薬局 中川智代  
    Fax:03−3412−7499


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