1997年8月発行
日本漢方交流会ニュース
【金 匱】
社団法人日本漢方交流会が目指す活動についての提案
ー薬局漢方が国民の健康にどれだけ貢献できるのか!ー
はじめに
現在、日本は世界一の長寿国であり、そのため厚生省並びに関係医療の各分野でたゆまない努力が続けられ、世界的にも高度な水準まで達している。然し現在、民間の医療が成果を上げれば上げる程病人が見る見る減少するはずなのに反対にその実態は深刻なピンチに陥っている。
現在全国の大病院は発病し入院しても急性期が過ぎても治癒せず慢性病に移行する患者が多く、3ケ月したら退院し通院治療になり、外来患者は毎日幾百人の患者がおしかけ、朝6、7時から2〜4時間も待ち、診療は4〜5分という実態で長期治療の努力があるのに、病気は慢性化して健康回復の見通しが立たない膨大な慢性病患者をかかえ、医療費が次第に増えて年間28兆円を使い懸命な努力にも拘わらず治療成果が上がらず、今や「一億半病人半健康人」と酷評される程であり、深刻な状態にある。
1 何故、このような実態に陥っているのか?
戦前、戦後少しの間は、結核等細菌性疾病が多く、サルファ剤や抗生物質で効果が上がった時代である。然し最近は生活習慣が多様化し特に食生活が変化し美食・飽食となって病気も複雑になり、例えば死亡率の高い癌患者が昭和25年から急増し、心臓・脳・肝疾患が多く原因不明の病気も多発しつつある。
現代医療では、一時抑え的対症療法で緊急的な苦痛、症状は治った感はあるが、原因療法でないため再発を繰り返し慢性病が増えるばかりである。
2 この膨大な慢性病患者を救う方法がないのか?
その期待を最も集めているのが、現代医療とは立場、発想、治療姿勢の異なる、3千年の経験治療と実績をもち、原因療法が主流で効果をあげる証に従って処方が決定される随証療法であり、発病の原因を治す漢方療法である。
厚生省、並ぴに行政当局は漢方療法を本格的に取り入れ、膨大な慢性病患者を救うため処方制限や生薬制限の「規制緩和」を実現し薬局漢方の実力を発揮させる様要望するもでのである(結果として膨大な患者も救われるし、政府の医療費=税金の節減に貢献すると思われる)。
3 かかりつけ漢方薬局を訪れる患者の動機について
1)現代医療で長年治療をしたが治らない、あるいは治せないと宣告されて何とか救って欲しいと漢方相談薬局を訪ねて来られる人が非常に多い。
例えば、慢性的な肝疾患、腎疾患や皮膚病、高血圧、不眠症、自律神経失調症、更年期障害、婦人科疾患胃腸病、リウマチ、神経痛、糖尿病、便秘、特に難病とされる潰瘍性大腸炎、ベーチエット病、クローン病、エリスマトーデス、等々。
2)長年治療を受けたが、新薬を飲むと副作用が出て、現代医療では救われず苦しむ人。
3)健康上に異常を感じ、必要な精密検査を受けたが、「病気ではない」と放り出されたが、異常で苦痛な自覚症状で悩む人。
4)3人に1人は65歳以上という高齢化社会が現実になり、死亡率の高い癌、心臓病、脳疾患や前立腺肥大、精力減退、体力低下、老衰、多臓器疾患で現代医療では治りにくいので漢方療法を希望する人々。
5)「健康で長生きしたい」という要望が高まっており、病気を予防し健康のためなら少々の費用はかまわず安全で副作用のない民間薬(伝統生薬)、漢方薬を長期間、或は一生涯服用したいと要望される人は多くなりつつある。
6)「治未病」の立場から疾病予防、健康増進して有意義な余生を送りたいと漢方治療法を求めて来られる先進的な考えの人。
7)若い女性を中心に、皮膚病、アレルギー性鼻炎、花粉症、不妊症、美容上の漢方治療、中年以降の婦人科疾患の相談も多い。
8)仕事上の過労、寝不足による病気が多い。また仕事上の負担に耐えられず、業務上の不安、或は出社拒否症、自律神経失調症で悩む人々。
9)自然哲学から長年歴史のある漢方療法にあこがれ、随証療法と何十年、一生涯飲み続けて健康維持向上に成果を上げている人々。
10)長年苦しんだ慢性病、難病を漢方療法で健康回復し
た貴重な体験者、余命数ケ月の病気から生還した人々
の、家族、友人、知人が漢方療法の偉力に感動して、
異常を感じたら早速相談に来られる人々。
11)癌の予防・治療、脳や各種疾息の手術後の回復の治療を漢方でやりたいと要望する患者。そのために必要な漢方・食養法を指導して欲しいとの要望も多い。
この様な、動機で漢方薬局を訪ねてきて、どれだけの患者の要望に対応できているかを証明するために東京都衛生部が調査した結果を公表した資料を紹介する。
4・東洋医学に関する東京都民の意識調査害をみて
漢方薬の入手場所(複数回答)
病院・医院 18.7%
薬局・薬店 74.3%
友人知人からもらった 12.1%
外国で入手した 1.7%
その他 2.8%
漢方薬の効果(入手場所別)
よく効いた 病院医院 28.8%
薬局薬店 26.1%
やや効いた 病院医院 44.2%
薬局薬店 47.8%
あまり効かなかった 病院医院 16.8%
薬局薬店 17.9%
全く効かなかった 病院医院 3.4%
薬局薬店 3.7%
その他 病院医院 2.4%
薬局薬店 2.5%
漢方薬の効果については、有効率(よく効いた十やや効いたの合計%)は、病院・医院が73%、薬局・薬店が73.9%と薬業界が少々リードしている。
東京は漢方研究が盛んであり、医師は東洋医学会を中心に漢方の権成者や漢方専門病院も多い、薬局は日中医薬研究会、方術信和会、日本漢方協会を始めとして漢方の学習運動は盛んである。
この時点では、薬系漢方界が東京都民の信頼を得ているし貢献をしている。
この東京都衛生部の調査は東京だけの調査であるが、30年前から漢方学習運動が盛んで熱心に勉強してきた日本漢方交流会の会員の実力は相当高水準であり、その地方の漠方療法で成果をあげておられるので、この調査の数字に近い実績を示していると予想される。
一方、日本漢方交流会の全国大会の研究発表を聞いた漢方雑誌の記者によると東洋医学会やその他の学会より漢方交流会の発表が学術水準が高く、本物の漢方研究発表であると評価されていたのもその証明である。
漢方に対する東京都民の要望については一般的にはよくわからない。この資料は、都民の漢方に対する関心が高くなり東京都衛生部が公共的に調査したもので、客観性がある数値と思われる。経営上あるいは治療上の参考になればと思い掲載した。
きっかけとなった病名
高血圧 神経痛・リウマチ 胃腸病 感胃 鼻炎 喘息 糖尿病 頻尿 便秘 痔 皮膚病 肝臓病 心臓病 ノイ□−ゼ 不眠症 肩こり 自律神経失調症 更年期障害 婦人病 その他 わからない 無回答 |
9.3% 5.8% 32.0% 19.2% 8.3% 5.6% 3.1% 1.6% 19.8% 3.3% 6.8% 5.2% 2.1% 1.0% 4.1% 15.3% 9.9% 5.2% 5.6% 14.0% 1.9% 2.3% |
解答総数 515名
服用した漢方薬の薬効(病名)
<男性> <女性>
8.1% 5.7% 41.0% 20.7% 11.4% 3.6% 3.7% 2.0% 10.5% 1.8% 10.3% 5.9% 1.8% 0.6% 2.2% 9.5% 3.0% 1.4% 0.4% 9.3% 4.1% |
高血圧 神経痛・リウマチ 胃腸病 感胃 鼻炎 喘息 糖尿病 頻尿 便秘 痔 皮膚病 肝臓病 心臓病 ノイローゼ 不眠症 肩こり 自律神経失調症 更年期障害 婦人病 その他 わからない |
7.4% 5.9% 27.1% 23.2% 8.4% 5.6% 2.0% 1.3% 30.9% 2.0% 10.7% 3.6% 2.0% 0.2% 3.6% 16.6% 8.1% 6.6% 9.7% 13.5% 3.0% |
507名 解答総数 608名
下記の表は東洋医学会の会員(医師が主体)がアンケートに答えたものであり、現代医療の経験のある医師が漢方の効果を比較したことで興味がもたれるし、客観性があり参考になる資料である。
漢方医学が現代医学より優れていると思う病気は?
病名 | 回答数 | 病名 | 回答数 |
1肝炎 2更年期障害、血の道症 3自律神経失調症 4気管支ぜんそく 5かぜ症候群 6胃腸炎 7アトピー性皮膚炎、湿しん 8冷え症 9アレルギー性鼻炎 10不定愁訴症候群 11腎炎 12便秘 13慢性関節リューマチ 14過敏性腸症候群 |
521 368 221 199 194 141 134 125 112 88 87 86 78 78 |
15高血圧 16咽喉頭神経症 17虚弱体質 18その他の皮膚病 19慢性気管支炎 20糖尿病 21腰痛 22神経症 23慢性副鼻くう炎 24神経痛 25不妊症 26変形性膝関節炎 27心身症 合計 2991 |
73 54 54 44 42 40 40 39 38 35 34 34 32 2991 |
よく使われる漢方薬ベスト20
薬物名 | 回答数 | 主な用途 |
1小柴胡湯 2葛根湯 3桂枝茯苓丸 4八味地黄丸 5小青竜湯 6当帰芍薬散 7加味逍遥散 8柴胡桂枝湯 9補中益気湯 10五苓散 11大柴胡湯 12柴胡加竜骨牡蛎湯 13桂枝加朮附湯 14半夏瀉心湯 15猪苓湯 16麦門冬湯 17半夏厚朴湯 18釣藤散 19六君子湯 20防己黄耆湯 合計 |
738 449 413 380 330 271 255 196 188 145 106 95 89 83 82 80 78 71 70 70 4189 |
慢性肝炎 かぜ、肩こり 更年期、肝炎 老化予防、白内障 アレルギー病 更年期、自律神経失調 更年期、自律神経失調 かぜ、冑炎、かいよう 体質強化 利尿 胃炎、肥満 神経症、不眠 関節痛 胃炎、食欲不振 利尿 気管支炎 神経症、つわり 高血圧 冑炎、食欲不振 関節痛、むくみ 。 |
5 膨太な慢性患者を漢方療法で如何に治せるのか?
(漢方治療の最も優れたポイント:胃腸炎、内臓の熱や冷え)
1)東洋医学会の統計によると肝炎治療が最も優れていると答えているが、現代医療では肝炎の治療には有効で適切な新薬はないと宣言される程であるが、漢方では少陽の段階で、裏熱実証で胸脇苦満、心下急、便秘であれば大柴胡湯、裏熱実証で心下病、腹満、便秘、であれば茵陳蒿湯、裏熱虚証、往来寒熱、胸脇苦満、吐き気、咳があれば小柴胡湯、更に証に従って柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯を服用すれば、急速に肝胆の熱を取り、肝炎や胆嚢炎その他が原因的に回復する唯一の方法のため、漢方療法の効果は抜群である。
その他に高血圧、不眠、疼痛など一時抑えの対症療法の典型であり、漢方では原因療法ができる。
2)現代社会では、職場や学校、あるいは家庭の中で絶えず多くのストレスを感じて生活している。ストレスが昂じると”気”の停滞や不足を生じる。
気の不足(気虚)があると体調が悪く一様に元気がなくなる。
この場合には人参や黄耆が入った補中益気湯や人参湯が改善する。
また、気が停滞(気鬱)すると頭重や抑鬱、喉や胸のつかえが起こるが、この様な症状には半夏厚朴湯や香蘇散が有効的である。
一方、足の冷えやのぼせ感等の気の上衝(気逆)、動悸には、桂枝加龍骨牡蛎湯や柴胡加龍骨牡蛎湯等の龍骨牡蛎剤や奔豚湯、加味逍遥散を用いることが多い。
このような気に問題のある患者は多いが、ある程度長期に渡って服薬すると症状が改善されてくる(精神安定剤や睡眠薬は効果が一時的であることが多い)。
3)水滞(水毒)が原因の症状としては、鼻水や涙、唾液などの分泌量の異常、目眩、動悸、耳鳴り、吐き気、浮腫、腹水、胃内停水などが挙げられ、五苓散、苓桂朮甘湯、八味丸、小青竜湯などが汎用される。
4)現代医療では完全に欠如している「於血(おけつ)」の考え方であり、治療の方法である。
(於=病だれ+於)
漢方では於血の考え方や治療方があるので、婦人科、産科、神経疾患、全身の健康状態、特に病気がこじれて回復が遅れる慢性病の場合は、駆於血剤を用いると急速に回復する。
この駆於血剤の治療ができることは現代医療で治療できないこじれた慢性病、原因不明の疾病の治療に抜群の治療を成功させうる漢方の治療法が最もすぐれている点である。
5)現代医療では胃炎、腎炎、肺炎の熱性の疾病については治療薬も方法もある。
然し、胃寒、腎寒、肺寒という病名もないし冷えから起こる病気に対しての考えが欠如している。そのため、必然的に虚弱者、高齢者は見捨てられるという医療構成に偏向があり、慢性病が増える原因でもある。つまり冷えから起こる病気だから漢方独特の温めて治す療法は慢性疾患の解決に大きな力を発揮するであろう。
6)漢方独特な滋養強壮剤、補剤は大いに有効である。
3人にl人は高齢者という時代が来て、体力が落ち衰弱した時に使う朝鮮人参、補中益気湯、十全大補湯は有効である。
社団法人日本漢方交流会が目指す具体的な活動についての提案
以上の薬局漢方を取り巻く諸状況の中で、漢方療法の優秀さを活かして、日本国民の健康に如何に貢献できるかについて、社団法人日本漢方交流会が目指す活動について提案してみたい。
1疾病回復面での貢献
l)近代医療の考えや治療と全く立場の違う自然哲学を基盤にした漢方医薬学(東洋医薬学)の随証療法は、30年間全国各地で毎月一回学習会の中で漢方的実力をつけており、原因治療ができるので非常に多くの近代医療の一時抑えへの対症療法では治らない疾病、あるいは漢方でなければ対応できない於血や寒冷から起こる疾病をもつ患者を救う運動を各県、各地の漢方研究会を中心に全国レベルで組織的に進めて国民の健康の向上に貢献できるよう努力する。
2)漢方独自の「治.未病」の考え方の具体的実行法を確立し、多くの国民の疾病の予防に努力することにより、「健康で楽しく長生きしたい」という国民の願いの実現に貢献する。
3)膨大な慢性病患者を如何に救っていくのかについては現代医療には治療の方法のない治し方を薬局漢方の学識と経験の交流を図りながら健康回復に貢献していく。
@証に従った方証一致の原因療法で慢性病を解決していく。
A漢方独特の駆於血剤で慢性病を治していく。
B冷えから起こる病気は温め、冷えを取って慢性病を治す。
C高齢者、衰弱、体力低下等は漢方独特の滋養強壮剤を服用させ、補中益気湯、十全大補湯等の補
剤で体力の回復を図り慢性病を治す。
2漢方学術部門の強化
1)生薬の品質が鑑定できる漢方薬剤師が減少しているので、交流会運動の中で、必ず生薬問屋と連携をもち、生薬、エキス製剤、錠剤の品質鑑定ができる学習を強化し、品質の良い効果確実な漢方原料薬品の順調な供給を図る。
2)外国から輸人する漢方生薬には学術的な真偽に問題が多く、真正の漢方生薬を輸入するために全国的な品質鑑定部門を新設することを検討してほしい(長沢先生からの要望)。
3)日本漢方交流会加人の各地の漢方研究会(20団体)は約30年間、毎月一回朝から夕方までの6〜7時間の学習運動を進めてきている。今後も薬系の漢方家育育成に努める。
・傷寒論、金匱要略、素問、神農本草経等の古典の学習運動を進める。
・生薬、エキス剤の薬能、用法、用量、規格等の研究を進める。
4)漢方薬物学の内容を充実させるため神農本草経や本草綱目、本草備要、薬徴等の古典の調査研究を進める。
5)年に一回の学術研究の成果を総括発表する学術誌を発行する。玉函への投稿は漢方の実力が評価されることになるのに最近投稿が少ないようである。特に師範、準師範の先生の奮起を期待している。
6)煎剤を中心とした漢方専門薬局あるいは漢方が主力の薬局を数多く育成するために年一回の交流・討論の場を設け、将来的には各都道府県の主要都市に最低でも一軒のかかりつけ漢方相談薬局を育成するよう運動を進める(吉矢日薬会長案)。
7)漢方医療は原因療法ができるので、多くの慢性疾患の治療成果を上げることが出来るため、本部支援交流会学術部主催で、年間1、2のテーマを決め(例えば、肝臓疾息や腎臓疾患等)、治験例の交流研修を実施し漢方療法の実力向上を進め、健康回復に貢献する様努力する。
8)年に一回の全国学術大会を開催し、系統だった内容の充実を図り初心者向けの内容も加え各テーマにより学術交流分科会で討論の場を設け会員の学術向上を図る。
9)交流会から処方集を発刊する。
10)常用漢方用語集を作成し発刊する。
3漢方療法の啓蒙・PR運動の推進
1)国民の大部分、現代医療の一時抑えの対症療法では治らない慢性病、難病の方に、漢方療法は原因療法や漢方独特療法ができるので健康回復に大きな力をもっていることが充分に理解されていないので、多くの国民に早急に効果的な方法により国民に理解を高め、活用していただくための啓蒙、PR活動を計画的に進める。
2)漢方医療の優秀さをより早く広く国民に知らせるため社団法人日本漢方交流会として、テレビ、ラジオ、ビラ等をつかい、啓蒙活動を強化する。そのためには漢方メーカー、間屋に強い支援を要請する。
3)交流会会員の中には各疾病治療の専門家がおり、漢方療法のすばらしい原因治療や漢方でなければ対応できない研究と成果を国民に分かり易く書いた「国民向け漢方療法図書」を出版し、国民の中に漢方愛好家を増やし、更に第2次漢方ブームを呼び込む。
4)漢方医薬学、伝統生薬(民間薬)は全国各地の人々が関心をもち、興味があり勉強してみたい人は多いので、高齢者学級、婦人団体、町内会に呼び掛け、公民館等へ交流会から講師を派遣し、講演、啓蒙活動を推進する。
5)現代医療で治らない疾病でも、漢方独自療法や原因療法ができる事を啓蒙する資料やビラを作って社団法人日本漢方交流会として国民に知らせて啓蒙する活動を計画的に進める。
4漢方薬供給のための組織の整備
1)日本漢方交流会は現在参加団体20、会員約1000名の組織である。
全国の社団法人化運動の中で今まで各地研究会毎の参加を個人会員制度に切り替えられたので、今まで交流会に加人できなかった全国の漢方を勉強してきた漢方専門薬局や漢方色の強い薬局の入会運動を本部や客地研究会から進め、組織力を強化する。
この運動にはメーカー、問屋の協力を要請する。
2)全国各都道府県市町村に最低一軒の漢方相談薬局もしくは漢方の強い薬局を配置し、患者の要望に応じ漢方相談薬局も作り漢方供給センターを創る(日薬吉矢会長からの提案)。
3)漢方基準薬局を創り、煎剤用生薬、エキス剤、丸剤等の整備供給の円滑化を図る。
4)漢方医薬分業は漢方医の処方箋発行により受け人れ整備する。
5)大学教育の中に漢方医薬学教育の場を設げ、漢方家の育成に努める。
6)全国の薬科大学に漢方薬物学教室を新設し、漢方生薬学の教育を進める運動を起こす。第30回学術大会には、大学教育の中に漢方教育を取り入れるシンポジウムを開催する。
7)漢方薬科大学の設立運動を推進する。
要 望 点
日本国内の医療事情は深刻で、厚生省等関係当局の努力にも拘わらず、一億半病人半健康人と酷評される程、疾病治療は成績が上がらず現代医療は困難を極めており、抜本的医療体制を組み、医療費の値上げを強行されようとしている。
それでも解決せず、泥沼状態に陥っており、疾病治療に専念しなければならないのに現実には医療費を値上げしたり、如何に節約するかが最重点になりつつある。
この原因は、現代医療の中心が一時抑えの対症療法になっており発病したら殆ど慢性病になって治らない。
その結果が一億半病人半健康人になって打開できないで苦しんでいる。
この打開法は漢方療法の大々的活用であるが、現在医療用漢方(保険漢方)は西洋医学を利用した「誤った漢方」で、その代表的表現が「小柴胡湯副作用で死者10名」である。
この西洋医学の病名漢方には構造上の欠陥があり、今後も事故が起こるうる可能性がある。
薬局漢方は、患者が薬局を訪ねて自費の治療であり、誤った病名漢方ではなく、伝統的正しい漢方を受け継いでいる漢方学術集団であり、事故を起こすこともなく治療成果が上げられ、その上、患者にも喜ばれ然も政府の医療費は全然使わないで治療成果を上げて、厚生省に対し医療費節滅と本来の漢方で治療成果を上げている。
薬局漢方を社団法人化を実現し、全国的に国民医療に貢献しようとしているこの社団法人化を支援して戴きたいと要望するものである。